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Revitで電気の回路と盤図を運用する|回路・盤スケジュール・負荷計算の実務ガイド
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Revitで電気の回路と盤図を運用する|回路・盤スケジュール・負荷計算の実務ガイド

Revitで電気の回路と盤スケジュール(盤図)を運用する実務手順を解説します。器具・回路・盤の階層、盤スケジュールの自動生成と社内テンプレートのカスタマイズ、負荷計算ソフトとの連携、パラメータを整えた電気ファミリの準備、回路番号の振り直しといったよくあるトラブルへの対処までを現場目線で整理します。

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

Revitで電気設計をしていると、「回路と盤図をどう運用すればいいのか」という質問をよく受けます。電気設計は空調や衛生と比べて、「回路と盤」という独特の表現が必要になるためです。器具を回路としてまとめ、盤に割り付けて、盤スケジュール(盤図)として表現し、負荷を集計する——この一連の流れを理解すれば、電気のRevit化は十分に実用になります。本記事では、Revitで電気の回路と盤スケジュール(盤図)を運用する実務手順を、負荷計算との連携や電気ファミリの準備、よくあるトラブルとあわせて整理します。

Revitにおける電気回路の基本

Revitでは、照明器具やコンセントを「回路(Circuit)」としてまとめ、それを「盤(Panel)」に接続します。回路を作る手順は、器具を複数選択し、リボンメニューから「電力回路の作成」を選ぶ、という流れです。これを実行すると、Revitが自動で回路番号を振り、接続先の盤に割り付けます。

ここで押さえておきたいのが、「器具→回路→盤」という階層構造です。器具は電気コネクタを介して回路に属し、回路はいずれかの盤の空きスロット(分岐)に割り付けられます。さらに盤自体も上位の盤(主幹線側)に接続され、電源の供給を受けるというツリー構造になります。この階層を最初に理解しておくと、「どこに何を繋ぐのか」が明確になり、以降の操作が見通しやすくなります。

盤スケジュール(盤図)の自動生成

Revitの電気機能で便利なのが、「盤スケジュール」です。回路を作って盤に割り付けると、盤スケジュールを自動生成できます。従来は人手で作成していた盤図を半自動化してくれる機能で、うまく使うとBIMのメリットを最も実感しやすい部分です。回路を編集すれば盤スケジュールも連動して更新されるため、手書き修正の手戻りが起きにくいのも利点です。

ただし、盤スケジュールのテンプレートは、カスタマイズしないと国内の設計スタイルとは合わないレイアウトになります。回路番号の表記、相バランスの見せ方、採用項目などを社内標準に揃えるため、盤スケジュールのテンプレートを社内で作る作業が必要です。

テンプレート作成で押さえたいのは、主奃30回路・両列といった国内で一般的な盤の形式に合わせた行・列構成、定格電流やブレーカーの極数・定格の表示、上位・下位盤との関係を示すような表記です。一度社内標準のテンプレートを作り込んでしまえば、以降のプロジェクトで使い回せるため、初期投資として押さえておく価値が大きい部分です。

負荷計算との連携

回路に負荷を設定しておくと、盤ごとの合計負荷が自動で集計されます。これを計算ソフトにエクスポートして、ケーブルサイズ選定やブレーカー選定に使う、というワークフローが一般的です。

ただし、Revit内部の負荷計算ロジックは欧米規格(NECなど)をベースにしているため、需要率の考え方や需要電力の算定など、日本の電気設計規約とは合わない部分があります。したがって、集計の土台としてRevitを使い、最終的な計算は国内規格に準拠した外部ソフトで行う、と割り切るのが現実的です。「各回路・各盤の負荷を拾い出す」ところまでをRevitの役割と位置づけると、期待値と実装のギャップが生まれにくくなります。

電気ファミリの準備

電気設計をRevitで進めるには、「パラメータがきちんと設定された電気ファミリ」が不可欠です。回路や負荷集計の精度は、このファミリ側の仕込みでほぼ決まると言っても過言ではありません。

最低限押さえるべき仕込みは次のとおりです。

・電気コネクタ:回路に拾われるためには、ファミリに電気コネクタ(電力/照明などの区分を含む)が設定されている必要がある。これがないと、そもそも回路に入らない。

・負荷・使用電力のパラメータ:照明器具には「負荷」、コンセントには「使用電力」など、負荷集計の根拠になる値を持たせておく。

・集計・タグ用のシェアパラメータ:型番や回路名など、盤スケジュールや器具表で拾う項目は、シェアパラメータで持たせて社内で一元管理する。

この仕込み作業は水面下で重く、成果が表に見えにくいため、担当を決めてチームで計画的にファミリを整備している事務所もあります。一度整えてしまえば回路・盤図・集計の精度が一気に上がるため、最初に投資する価値の高い工程です。

よくある失敗:回路番号の振り直し

電気設計でよくある失敗が、「回路番号が勝手に振り直されてしまう」というものです。Revitは回路を編集したときや、盤への割り付けを変えたときに、番号を自動で振り直してしまうことがあり、図面とチェックリストの整合性が崩れる原因になります。

これを防ぐには、設計がある程度固まった段階で回路番号を手動で固定(ロック)し、以降は番号を動かさない・動かす場合はレビューを通す、というルール化が有効です。番号の振り方(盤ごとの連番か、奇偶で左右列を分けるかなど)も社内で統一しておくと、担当者が変わっても盤図の見た目がそろいます。

他ソフトとの併用

国内の電気設計事務所では、Revitだけで電気計算を完結させるよりも、専用の電気計算ソフトと併用するケースが多くあります。Revitでモデルと回路を作り、集計をエクセルにエクスポートして計算ソフトに流し込む、というワークフローが現実的です。

すべてをRevit内で完結させようとせず、「モデル・集計はRevit、計算は専用ソフト」と役割を分けるのがコツです。連携をスムーズにするためには、エクスポートする項目と並びを計算ソフトの取り込みフォーマットに合わせて、受け渡しテンプレートを決めておくと、手作業の手直しが減ります。

まとめ:ファミリ・テンプレート・ルール化

Revitでの電気回路と盤図の運用は、適切にセットアップすれば十分実用になります。ポイントは三つ。パラメータが整った電気ファミリ、社内標準としての盤スケジュールテンプレート、そして回路番号のロックなどチームでのルール化です。この三つを押さえ、「モデル・集計はRevit、計算は専用ソフト」という役割分担を明確にすれば、電気のRevit化は着実に進みます。