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CADからBIM(Revit)へ|設備設計の移行ステップと現実的なコスト計画
CAD/BIMナレッジ導入

CADからBIM(Revit)へ|設備設計の移行ステップと現実的なコスト計画

CADからBIM(Revit)への移行を検討する設備設計事務所向けに、現実的な移行ステップとコスト計画を解説。段階的に進めるための優先順位と落とし穴を整理します。

長谷川一夫

機械設備設計部

公開日
更新日

多くの設備設計事務所にとって、CADからBIMへの移行は大きな決断です。「BIMにしたいが、何から手をつければいいのか分からない」「導入したものの現場が回らなくなった」——こうしたつまずきは、進め方を誤ると誰にでも起き得ます。本記事では、CADからBIM(Revit)への移行を検討する事務所向けに、現実的な移行ステップとコスト計画、そして陣りやすい落とし穴を実務目線で解説します。

一気に移行しない

移行で最も避けたいのは、全案件を一気にBIMに切り替えようとして現場が混乱することです。熟練したCADの進め方をいきなり手放すと、短期的には生産性が大きく下がり、現場の不満や抛抵感につながりかねません。まずは一部の案件やパイロットチームから始め、ノウハウを蓄積しながら徐々に展開するのが現実的です。

しばらくCADと並行する前提で

移行期は、CADとBIMがしばらく並存するのが普通です。「いつ完全に切り替えるか」にこだわりすぎず、案件の特性に応じて使い分けながら、BIMでできる範囲を少しずつ広げていく発想が長続きのコツです。

移行のステップ

一般的には、次のようなステップで進みます。各ステップを飛ばさず、順に積み上げていくことが定着につながります。

  1. 目的の明確化:干渉検討を減らしたいのか、数量を自動化したいのかなど、移行で何を得たいかを先に決める
  2. パイロット案件の選定:小規模で工期に余裕があり、効果を測りやすい案件を選ぶ
  3. テンプレート・ファミリの整備:自社の作図ルールやよく使う機器に合わせて準備する
  4. 人材の育成:パイロットを担うメンバーを中心に、社内にノウハウを残す
  5. 展開:パイロットの振り返りをもとに、対象案件やチームを段階的に広げる

特に、自社の作図ルールに合ったテンプレートとファミリの整備が、定着の鍵を握ります。ここが不十分なまま展開すると、担当者ごとに作り方がバラつき、後から揃えるのに余計な工数がかかります。

コスト計画の考え方

コストには、ソフトライセンスやPCなどの目に見える直接費用だけでなく、教育・習熔の期間に生じる生産性の一時的な低下も含めて考える必要があります。この「見えにくいコスト」を見落とすと、現場の負担感だけが残ってしまいます。

見落としがちなコスト

  • 直接費用:ソフトライセンス、推奨スペックを満たすPCやモニタ
  • 教育費:研修やトレーニング、外部コンサルの活用
  • 一時的な生産性低下:習熔期にはCADより時間がかかるため、その分の工数を見込む
  • テンプレート整備の工数:初期に集中して発生する準備作業

補助金の活用も選択肢の一つです。IT導入支援や建設DX関連の制度が利用できる場合があり、初期費用の負担を軽減できます。短期の支出だけでなく、手戻り削減や受注範囲の拡大といった中長期の効果と合わせて計画することが大切です。

よくある落とし穴

移行がうまくいかない事務所には、共通するパターンがあります。事前に知っておくだけで避けられるものも少なくありません。

  • 「CADの描き方」をそのままBIMに持ち込み、モデルの利点を活かせない
  • テンプレート整備を後回しにし、担当者ごとの自己流でモデルがバラつく
  • 目的を決めずに「とりあえずBIM」と始め、効果が見えずに挿折する
  • 習熔期の生産性低下を見込まず、繁弙期に無理な案件で始めて挫折する

まとめ

CADからBIM(Revit)への移行は、一気にではなく段階的に進めるのが現実的です。目的を明確にし、パイロット案件でノウハウを蓄え、テンプレートやファミリの整備を先行させることが定着の鍵になります。コストは目に見える直接費用だけでなく、習熔期の生産性低下も含めて、中長期の効果と合わせて計画しましょう。よくある落とし穴を事前に把握し、優先順位を明確にすることが、移行成功の鍵となります。

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